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― 西洋古典原論 ―


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Author:兎狐
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    ストバイオス『精華集』
    ストバイオス『精華集』(『抜粋集』を含む)のギリシャ語原典です。
    各巻の画像をタップorクリックするとそれぞれに対応した Internet Archive 所収のデジタル版テキストに移動します。

    I. Stobaei ANTHOLOGIVM, recens. Wachsmuth & Hense (Weidmann, 1884)
    VOLVMENPrimumAlterumTertiumQuartumQuintum
    Libri duoPRIORESPOSTERIORES
    vol. Ivol. IIvol. Ivol. IIvol. III
    TextsStob_vol2.jpg
    PrimumAlterumTertiumQuarti
    1-601-461-421-2728-58


    __

    私がストバイオスに出会ったのはショーペンハウアーの著作の中で、そこではストバイオスなる人物がとても魅力的に取り上げられており、彼が何者であるのか気になって何度も調べようと試みてみたものの、中々思うような情報に辿りつけず、挑んでは諦めての繰り返しをしてきた思い出があります。今から一年ほど前、西洋古典学会のQ&Aコーナーにストバイオスに関する質問が寄せられ、その質問に対する回答を読んだ時、その秀逸さに目を見張りました。日本語で読めるものとしては最も詳細でまとまっており、その内容からはストバイオスの功績がよく伝わってきます。

    本稿では中でもストバイオスのギリシャ語原典に焦点を合わせ、引用箇所に添えられた出典情報からギリシャ語原典へとスムーズに辿れるマニュアルを提供しようというものです。出典が明記されていれば原典まで辿り着くのは容易で、普通はこうした特別なマニュアルなど必要ないのですが、ことストバイオスに限ってはその校訂本の構成の複雑さと情報量の少なさで、結局たどり着けずに諦めてしまうということもあろうかと思います。私がそうでしたので。その経験から、古典作品とまでは至らずとも、ストバイオスのテキストがシームレスに、よりアクセスしやすいものになるよう、ここにそのプラットホームを作っておきます。

    __

    ストバイオスの作品のタイトルは、本稿のタイトルに用いた『精華集』の他、『抜粋集』、『選文集』、『詞華集』など色々あり、はたしてすべて同じものを指しているのかどうかすら分からないような状況になってます。ラテン語タイトルまで辿りつけたとしても、それらは Anthologium の訳なのか、 Eclogae の訳なのか、はたまた Florilegium の訳なのか不明瞭で、それらを判明にするには多少なりともギリシャ語に嗜みがなければ難しい。そういうわけで、ギリシャ語を解さない当時の私はそれ以上進めずに曖昧なまま根気が尽きて放棄、ということを繰り返したわけで、こういうサイトがあれば、解らないなりにも対応するギリシャ語の原文に触れられ、ひいては読解してみようと意欲をかき立てられる機会にもなろうかと思います。


    校訂版
    その回答でも示されている通り、ストバイオスの校訂版は数種類あります。このうち、私が参照するのはヴァクスムート&ヘンゼ編のヴァイトマン版のみでして、それというのも、マイネケ編のトイブナー版は章番号にギリシャ文字による表記のみが使用されているから扱いにくいというのもありますが、ヴァイトマン版の校訂はストバイオスの当時のテクストに限りなく近づこうという方針が採られているから。また、岩波書店から出されている6冊の『ソクラテス以前哲学者断片集』におけるストバイオスの引用もヴァイトマン版に依拠しており、必然的にこちらを選択するに至った訳です。そのヴァイトマン版は1884年から1912年にかけて "Ioannis Stobaei Anthologium" (ヨーアンニース・ストバイイー・アントロギウム)というラテン語タイトルのもと Volumen Primum (第1部)から Volumen Quintum (第5部)までの全5分冊で出版され、のち1923年に "Ioannis Stobaei Editionis Weidmannianae Appendix" すなわち『索引』が出版されます。先のQ&Aの回答のなかでは 1958, 1999 と記載されてますが、1958年というのは editio altera すなわち第2版の出版年で、1999年というのはそのリプリント版の出版年です。

    タイトル訳語
    タイトルの "Anthologium" の訳語ですが、ここでは ἄνθος (花)+ λογία (収集)の字面に沿って『精華集』の訳語を採用することにして、 eclogae = ΕΚΛΟΓΑΙ 『抜粋集』 (= Eng. extracts) と区別しておきます。 ストバイオスの作品は大きく2部に分かれており、第1部が Eclogae で第2部が Florilegium という構成で、トイブナー版がそのように作られているのですが、ヴァイトマン版ではこれらの頭に Anthologium (= Florilegium) の名が冠されます(ラテン語の Florilegium はギリシャ語の Anthologium に等しく、flos (花)は anthos に相当)。

    構成
    このように Eclogae 『抜粋集』は Anthologium 『精華集』 の部分概念のようなややこしい位置に置かれるに至ったわけですが、このようなヴァイトマン版の分類はややこしいので普通無視されます。伝統を踏襲して第1部と第2部を『抜粋集』、そして第3部から第5部を Florilegium/Anthologium 『精華集』として把握しておくのが妥当ではないかと思いますし、実際『ソクラテス以前哲学者断片集』(岩波書店)でもそのように分類されます。一応ヴァイトマン版の分類法を示すと以下の通りです。

    第1部 ... 『精華集』 第1巻 libri priores 「自然学と倫理学の抜粋集」 第1部
    第2部 ... 『精華集』 第2巻 libri priores 「自然学と倫理学の抜粋集」 第2部
    第3部 ... 『精華集』 第3巻 libri posteriores 第1部
    第4部 ... 『精華集』 第4巻 libri posteriores 第2部
    第5部 ... 『精華集』 第4巻 libri posteriores 第3部


    なんでこんな複雑な構成にしたんでしょうかね. . Anthologium をタイトルに掲げてしまったことが原因なのは明らかなんですどね。伝統的にストバイオスの作品は大きく2つに分けられてます。ヴァイトマン版でも priores (前巻)と posteriores (後巻)に分けてられいる通りで、前巻の第1部と第2部の巻頭には "Eclogae Physicae et Ethicae" 「自然学と倫理学の抜粋集」という副題(!)が付けられています。正確には第1巻が『自然学抜粋集』、第2巻が『倫理学抜粋集』で、章番号も巻ごとに振り直されます。そして、第3部の『精華集』後巻の第3巻、第4部から第5部にかけての『精華集』第4巻があり、これで全4巻です。ややこしい。はっきり言って、便利悪いです。だから、以下のように把握し直します。

    『自然学抜粋集』 ... 第1巻(1冊目)
    『倫理学抜粋集』 ... 第2巻(2冊目)
    『精華集』 ... 第3巻(3冊目)
    『精華集』 ... 第4巻(4冊目&5冊目)


    はい、これですっきりしました。

    __
    (練習)
    以下の引用に添えられた出典箇所からヴァイトマン版の何冊目を手に取ればよいか見抜き、実際に画像のリンク先から当該箇所のギリシャ語原文を見つけてみてください。

    1. 「アリストクセノスの『ピュタゴラス派の格言(アポパシス)』からの引用。・・・」 (Stob. 1. 6, 18)
    2. 「おまえは言葉では何でも立派なことを言うが、行いはひどいものだ」 (Stob. 2.15, 18)
    3. 「家畜の群れの優秀さは身体の力、人間たちのそれは品性の善きありかた」(Stob. 4. 29, 18)



    <正解>

    1. 正解は1冊目。 p. 89 に Caput 6 (6章) の 18 がある。
    ἐκ τῶν Ἀριστοξενου Πυθαγορικῶν ἀποφάσεων. ・・・
    2. 正解は2冊目。 p.188 に Caput 15 (15章) の 18 がある。
    τῷ λόγῳ μὲν εὖ διέρχῃ πάντα, τῷ δ' ἔργῳ κακῶς.
    3. 正解は5冊目。 p. 708 に Caput 29 の18 がある。第4巻は4冊目と5冊目に跨っていて章番号が続いているので、28章以降は5冊目を参照する。
    Κτηνέων μὲν εὐγένεια ἡ τοῦ σκήνεος ευθένεια, ἀνθρώπων δὲ ἡ τοῦ ἤθεος εὐτροπίη.



    __
    (補足)
    出典箇所の記載方法は引用者によってまちまちです。練習では Stob. として作家名を掲げましたが、『ソクラテス以前哲学者断片集』ではそれぞれ3つの作品名が掲げられます。それと、章番号もここでは分かりやすいようアラビア数字を用いてますが、原典に用いられているローマ数字で記載するのが一般的です。なので、少なくともローマ数字が読めることは前提です。このヴァイトマン版もそうですが、1800年代までの印刷本にはローマ数字でその年が記されていることが多いです。

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    【2017/01/12 12:21】 ストバイオス | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)






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