ΣΤΟΙΧΕΙΑ
― 西洋古典原論 ―


PROFILE


Author:兎狐
自然栽培農家。のら仕事に出ているので更新はまちまち。
RSS1.0

CATEGORY


  • 『ラテン語動詞の完了幹形成法』 (1)
  • 『フランス語動詞の活用の覚え方』 (2)
  • 『ラテン詩の規則』 (1)
  • 名詞 〔曲用〕 (2)
  • 名詞 〔接尾辞〕 (1)
  • 名詞 〔第3変化名詞〕 (1)
  • 形容詞 〔接尾辞〕 (1)
  • 副詞 〔接尾辞〕 (2)
  • 動詞 (5)
  • 動詞 〔完了幹〕 (3)
  • 動詞 〔完了分詞幹〕 (7)
  • 接頭辞 (5)
  • yomimono (7)
  • ローマ帝国の歴史 (1)
  • ドロア (2)
  • ドロア(『ラテン詩の規則』専用) (4)
  • ストバイオス (1)
  • yomimono


  • キケロー『カティリーナ弾劾演説』
  • プラトーン『ソークラテースの弁明』
  • セネカ『ルーキーリウス宛第7書簡』
  • ストバイオス『精華集』
  • Main Article


  • + ラテン語動詞の活用

    —– 活用早見表 (埋め込みPDF)

    —– 活用練習帳 (埋め込みPDF)


    + ラテン語動詞の完了幹形成法

    —– I. s-完了幹


    + ラテン詩の規則

    —– ウェルギリウス『アエネーイス』に学ぶラテン詩の規則 


    + フランス語動詞の活用の覚え方

    —– 1. Groupe A

    —– 2. Groupe B




  • スポンサーサイト
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。


    【--/--/-- --:--】 スポンサー広告




    DEUS の格変化
    何かと厄介なDEUS の格変化を整理しておく。

    sg.






    pl.



    nom.
    voc.
    gen.
    acc.
    dat.
    abl.

    nom., voc.
    gen.
    acc.
    dat., abl.

    deus 1
    (deus, dee, dīve) 2
    deī
    deum
    deō
    deō

    (dii), deī 3
    deum
    , deōrum (poet. dīvum, dīvom) 4
    deōs
    dīs
    (diis), deīs 5



    1. 単数主格 — deus
       【PIE *dei-u-o- / PIt. *deiw-】 : dīc-(ere) の古形 deic- が示すように、ラテン語では PIE における ei は次第に ī へと昇華する。はずなのであるが、deus はなぜか ē の段階に止まった。そこからは、*dēw-os > *dēus > deus という成立過程が想定される (s.v. de Vaan deus)。それに対し、形容詞の dīvus は *deiw-os > *dēw-os > dīv-us と、健やかに育つことができた (PIE *u > PIt. *w > Lat. v).

    2. 単数呼格 — deus? dee? dīve?
       古典期のラテン語に DEUS の単数呼格は無かった。呼びかけるときは、その神の名で呼びかけたからである。と、このように理解しておくとすっきりして良い。deus か、dee か、それとも dīve かという問題があるが、あまり首を突っ込みたくはない。初期のキリスト教文献では単数呼格 dee が散見されるようだが、ウルガータを含めそれ以降はもっぱら deus が用いられたようである。関心のある向きには次の論文がお勧め。

    Rauk, J., (1997), "The vocative of Deus and its problems" in Classical Philology, Vol. 92, No. 2, pp. 138-149.

    3. 複数主格・呼格 — (dii), deī
       dī は時々 dii と綴られたが、発音上はどちらも1音節である。写本ではしばしば dii と表記されるが、それはおそらく dī の ī が長音であること (ī = ii) を示すために過ぎない (s.v. L-S deus “dii is freq. in Mss. but prob. indicates only the length of the ī”). Plautus (254–184 BC) や Terentius (195/185–159 BC) は deī の形を一度も使用しないが、それはその形が後世に出来たものだからである。複数主格語尾 -ī が -ei > -ē > -ī という発展を遂げたことは金石文が示す通りである: e.g. VIREI (virī), PLOIRVME (plūrimī)。dī はこの過程で deei > deē > dē (contracted) > dī という発展を遂げたと考えられる。この過程において deī という形の生じる余地はなく、それはすでに固定化した複数主格語尾 -ī を DEUS の語幹 de- に後付けしたものである。
       ところで、この dī と deī の使用頻度を相対化するため、試しに Cicero "De natura deorum" (『神々の本性について』)における使用例をそれぞれ数え上げてみると、dī (23); dii (8); deī (10)(単数属格 deī を除く)と、dī (dii) が全体の 77.6% を占める結果となった。ただし、校訂の問題も絡んでいる上、韻律の都合によって使い分けられたことも十分考えられる。よって、この数値は参考程度にすべきであるが、それでもこの結果は3つ全ての形態がひとつの散文著作のなかに散りばめられていることを示していて興味深い。このことから、少なくともキケローその人は、これら3つの形態を何らかの法則に則って使い分けていたということが分かる。そのすべてを審らかにするのは困難だが、比較的容易に見て取られることは、 dī immortālēs, dī bonī, dī patriī, のように、呼格の場合は必ず dī (dii) が用いられるということである。この法則は、キケローに限らず古典期以前の全著作について言えるものである。あとは、私の安易な憶測に過ぎないが、dī と比較して deī の使用例が少ないことやその音節数が多いこと、さらにはそれが正嫡の形でないことなどから、その使用には何らかの強調の意図を読み取ることが出来るかもしれない。

    4. 複数属格 — deum, deōrum (poet. dīvum, dīvom)
       DĒNĀRIUS や STADIUM のように金額(=コインの名称)や長さの単位を表す o- 幹名詞の複数属格語尾は -ōrum ではなく -um であることが多い (dēnārium, stadium)。こちらが本来の属格語尾である。古典期に -ōrum に移行した後も、これら名詞は元の形態を保った。その他、DEUS, FABER, LĪBER, SOCIUS, VIR においても -um / -ōrum が競合する (deum / deōrum, fabrum / fabrorum, lībrum / lībrōrum, socium / sociōrum, virum / virōrum)。また、詩ではこれらの語に限らず -um の語尾が採られることがあり、dīvum, dīvom は形容詞 DĪVUS の複数属格の詩形である。vu <=> vo については、v に先立たれる u には一般にこのような関係が確認される (e.g. vultus <=> voltus)。

    5. 複数与格・奪格 — dīs (diis), deīs
       複数主格・呼格 “dī (dii), deī” と同じ根拠にもとづき、与格・奪格も “dīs (diis), deīs” の表記が推奨される。つまり、基本的に dīs が用いられ、ī の長音を示すために diis と表記されることもあり、理論的な形態 deīs はあまり用いられない。Cicero “De natura deorum” におけるそれぞれの使用例を数え上げてみると、dīs (35); diis (3); deīs (7)、Gellius “Noctes atticae” では dīs (9); diis (3); deīs (0) となった。


    スポンサーサイト

    【2013/07/26 00:57】 名詞 〔曲用〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    -UO 動詞
    このような動詞の分類はあまり知られていないかもしれないが、第2活用動詞に “~ēre, ~uī, -itus” や “~ēre, ~sī, ~sum” の活用グループがあるように、第3活用動詞の中にも “~uere, ~uī, ~ūtus” の活用グループがある。私はこれらの動詞を -UŌ 動詞と呼んでいる(u- 幹動詞とも言う)。
    この動詞群は次の2グループに大別することができる。

    1. u- 幹名詞からの派生動詞

    TRIBUŌ, tribuere, tribuī, tribūtus.      「区分」(tribus)
    STATUŌ, statuere, statuī, statūtus.      「建設」 (status [STŌ])
    ARGUŌ, arguere, arguī, argūtus.      「明示・証明」 (*h2erǵ-u-‘white’)
    ACUŌ, acuere, acuī, aūtus.      「研磨」 (*h2eḱ-u-‘pointed’; cf. acus ~ūs 「針」)
    METUŌ, metuere, metuī, metūtus.      「恐怖・危惧」 (metus ~ūs)
    MINUŌ, minuere, minuī, minūtus.      「砕く、切り刻む」 (minor ~or ~us *mi-n(e)-u- => *minu-je/o)
    FUTUŌ, futuere, futuī, futūtus.      「性交」(perh. *futu- 「突・打」)


    2. 一次動詞 (primary verb)

    SUŌ, suere, suī, sūtus.      「縫う」 (*siuH-ie/o-)
    IMBUŌ, imbuere, imbuī, imbūtus.      「濡らす・慣らす」 (*h1en-dhh1-u-)
    LUŌ, luere, luī, lūtus.      「罰を受ける・償う」 (*luwe/o-)
         > solvere [se + -luo「緩む・解く」]
    -LUŌ1      (*leu-e/o-; cf. lŭtum「泥・ぬかるみ」)
         > polluere 「汚す、穢す」
    -LUŌ2      (< LAVŌ 「洗う」)
         > alluere, colluere, dēluere, dīluere, &c.
    VOLVŌ, volvere, volvī, volūtus.      「回転、蛇行」 (*uel-u-)
    PLUŌ, pluere, plūī.      「降雨」 (*pleu-e/o-)... 完了幹 plū-(ī)
    -NUŌ, nuere, nūī, nūtus.      「頷く」 (*neu-e/o-) ... 完了幹 nū-(ī)
          > abnuere 「(首を横に振っての)否認」、innuere「(頷いての)合図」, &c.
    SPUŌ, spuere, spuī, spūtus.      「唾棄」 (*sp(i)uH-ie/o-)
    -UŌ, -uere, -uī, -ūtus.      「装飾」 (*h3eu-e/o-)
          > exuere 「脱衣」、induere「着させる」
    STERNUŌ, sternuere, sternuī.      「くしゃみ」 (*(p)st-(e)r-nu-)
    -GRUŌ, -gruere, -gruī.      「突入」 (*ghr(e)uh1-e/o; cf. RUŌ)
          > congruere 「一致、調和」


    N.B.1
      SOLVŌ (s.v. LUŌ) , VOLVŌ は他の -UŌ 動詞と異なり、前に〔子音+母音+流音〕の音節があるため -VŌ となっている。完了幹も同様に、solv-(ī), volv-(ī) となる。

    N.B.2
      -LUŌ タイプの動詞は3種に分かれており、このように明確に区分しておく必要がある。



    【2013/07/24 20:10】 動詞 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    -IM 副詞
    はじめに
    -IM 副詞は Gildersleeve (G. §91) で古典期の使用例として31例しか挙げられていないが、Oxford Latin Dictionary から拾い上げた -im 副詞の数は、実にその6倍以上の191例に上る。Leumann (§389) でも41例に止まるが、こちらはシステマティックに説明されており、単に列挙するだけの G. とはその有用性において雲泥の差がある。ここでは、Leumann とは別に-IM 副詞の規則をまとめておきたい。


    1. -IM 接尾辞の由来
    不変化語末の -IM は副詞接尾辞化したが、もとは i- 語幹名詞の単数対格語尾である (G. §37, 3)。その語尾は、古典期には完全に -em に移行したが、vīs (vim) 「力」や sitis (sitim) 「渇」などいくつかの名詞においては -im の形を保存している (G. 57, 1)。対格の用法は、副詞としての対格と動詞の直接目的語としての対格に大別されるが、本来的には副詞であり、行為の目的を表すものであったと思われる (in, ad, sub). ここから、他の副詞的用法も動詞の目的語としての用法も結果したと考えられる。


    2. 比較級と最上級
    これは副詞全般に言えることだが、-Ē 副詞と -TER 副詞以外の副詞が比較級や最上級を持つことはない。よって、-IM 副詞にもない。


    3. -IM => - Ē ?
    -IM 副詞は古い副詞なので、articulātim => articulātē, gravātim 「しぶしぶ」 => gravātē などのように、-ē 副詞などに取って代わられるものも出てくる。しかし、その場合もただ単に換置されたわけではなく、たとえば moderātim 「少しずつ」 => moderātē 「節度を持って」やarticulātim 「一節ごとに」=> articulātē 「はっきりと」のように、微妙に意味合いが変化しているので、「imはēに吸収された」などと片づけることはできない。しかし、発生的には -IM => -Ē, &c. なので、意味の異なりがあるとすれば、それも同じ順序で辿ることができるだろう。ただし、summātim 「表面的に」と summē「最も」のように、2つが併存しうる場合もわずかながらにある。以下、他の副詞接尾辞と関連を持つ -IM 副詞を私の語彙集で照合して数え上げてみる。これらの副詞を辞書で意味の違いを確認してみると面白いかもしれない。

    (/ē) — ARTICULĀT.im/ē, CITĀT.im/ē, CŌGITĀT.im/ē, FORTŪNĀT.im/ē, GRAVĀT.im/ē, MODERĀT.im/ē, ORDINĀT.im/ē, SĒPARĀT.im/ē, CERT.ātim/ē, PROPER.ātim/ē, RUSTIC.ātim/ē, CAUT.im/ē, CŌNFŪS.im/ē, CONIUNCT.im/ē, CONTEXT.im/ē, DĪRECT.im/ē, DISERT.im/ē, DISPERS.im/ē, EXPRESS.im/ē, EXQUĪSĪT.im/ē, INCĪS.im/ē, IUNCT.im/ē, MINŪT.im/ē, PERDIT.im/ē, PRESS.im/ē, RESTRICT.im/ē, STRICT.im/ē, SUBMISS.im/ē, ŪNIVERS.im/ē, ĒNIX.im/ē, URBĀN.ātim/ē [urbānus]; PROPR.ītim/iē [proprius] (/ter) — CELER.ātim/anter, CUNCT.im/anter, EXSULT.im/anter, DUBIT.ātim/anter, MODER.ātim/anter, PROPER.ātim/anter, UND.ātim/anter ; (/āliter) — GENER.ātim/āliter, REGIŌN.ātim/āliter (/ō) — FESTĪNĀT.im/ō, PROPERĀT.im/ō, DIRECT.im/ō, FURT.im/ō [furtum] ; (/per) — PAUXILL.ātim/isper [pauxillus] ; (/ā) — IUXT.im/ā

    こうして数えてみると、47/191例に上った。


    4. -IM 副詞の語基
    4.1. Deverbal:上の一覧からも分かるように、-IM 副詞の語基は i- 幹名詞である必要はない(むしろ、i- 幹名詞由来の-IM 副詞はpartim [pars] と fartim [fars] くらいではないかと)。それは主に動詞由来 (Deverbal) か名詞由来 (Desubstantival) である。動詞から派生する場合、prīvātim [prīvāre => prīvāt-(us) + -im] や statim [stāre => stat-(us) + -IM] のように、完了分詞幹に -im 接尾辞が付される。
    4.2. Desubstantival:名詞から派生する場合は generātim [genus (gener-) + -ĀTIM] や ōstiātim [ōstium + -ĀTIM] のように、形容詞接尾辞 -ĀTUS と -IM が合体した -ĀTIM 接尾辞が用いられる。また、cūriātim [cūriātus (cūria + -ĀTUS) + -IM] のように、-ātus を伴う形容詞に付されることもある(17例)。さらに、tribūtim [tribūtus + -IM] や furtim [furtum] のように、-ĀTUS を介さず名詞に直接 -IM が付される例もわずかながら確認される(9例)。他に、例外として virītim [vir (viri-) + -ITIM (-ITUS + -IM?)] と proprītim [proprius] の2つの副詞があるが、virītimは頻出語。
    4.3. Deadjectival:-IM 副詞は上述のように主として動詞か名詞に由来するのだが、summātim [summus], urbānātim [urbānus] のように、語基に -ĀTUS 以外の形容詞がとられることもある(12例)。そのなかには、さほど使用例は確認されないものの、所有形容詞を語基にとるものがあり、それで「流儀」が示されるのは面白い (tuātim 「君のやり方で」, suātim 「自分なりに」, meātim, nostrātim, vestrātim).
    4.4. その他:以上が -IM 副詞全体のシステムであるが、上記のいずれの規則にも当てはまらないものがいくつかあって、そのうちvicissim [vicis] , pedetem(p)tim [pes, tempo], (ad-/ex-) amussimなどは割と頻出である。istim [iste], illim [ille], cossim [cf. conquiniscere] などは、言及するのをためらうほどに稀である。最後に、enim, etenim も -IM 接尾辞を有するが、これは副詞というより接続詞である。


    【2013/07/22 14:42】 副詞 〔接尾辞〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(1)




    lēgī? lēxī? (LEGO)
    動詞 legere 「集める」の完了幹 lēg-(ī) は、幹母音を長音化して形成するタイプのものである。畳音動詞の場合を除き、派生動詞は概して基幹動詞の語幹変化に従うものである。それゆえ、この legere から派生した colligere の完了幹は collēg-(ī) となる。しかし、legere の派生動詞には、幹母音を長音化するのとは別の形成法によって完了幹を形成する neglegere, intellegere, dīligere の3動詞がある。これら3動詞の完了幹は、いわゆるシグマティック・アオリストの形成法に従って、それぞれ neglēx-(ī), intellēx-(ī), dīlēx-(ī) となる。まず、legere の派生の全貌を確認しておきたい。

    ● allegere「選挙・任命」, sublegere「落穂拾い」, relegere「再読・回顧」, perlegere「精査・通読」, praelegere「(授業前の)朗読・講義」, translegere「読んで聞かせる」. // sēligere「選択」, colligere「収集・獲得」, recolligere「再取得・回復」, ēligere「選択・抜擢・精鋭」, dēligere「選択・摘み取り・精鋭」.
    ● neglegere「無視」, intellegere「認知」// dīligō「尊重」.


    完了が -lēgī となるタイプの legere の派生語は「集める」の意味を基にする。それに対して、完了が -lēxī となるタイプの neglegere「無視する」、intellegere「認知する」、dīligere「尊重する」の3動詞に関しては、ギリシャ語の動詞 ἀλέγειν (alegein) 「見張る、注意を払う」との関係性が指摘される (Leumann 1977, Schrijver 1991, de Vaan 2008, &c.)。 この動詞は現在時制でのみ使用されたようだが (s.v. LSJ ἀλέγω)、仮にシグマティック・アオリストを理論的に形成すると ἤλεξα (ēlexa) となる。

    そもそも legere の完了幹が lēg-(ī) であること自体が不思議というか、不合理に思われる、その意味では、lēx-(ī) の方が合理的だ。これは,sedēre / sēdī のような語幹母音を長音化して完了幹を形成するタイプの動詞からの類推と説明するしかない (Baldi, 2002 : p. 378).


    【2013/07/19 11:25】 動詞 〔完了幹〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    -ūra (DICTATURA)
    接尾辞 -ūra と聞いて私がまず思い浮かべるのは nātūra 「自然」、 cultūra 「(農)耕」、figūra 「形」などである。キケロー『カティリーナ弾劾』第二演説(第20節)に "dictātūra" という語が登場する。その意味は「ディクタートルの職」ということで、この -ura なる接尾辞に混乱が生じたので、少し調べてみようと思う。

    この接尾辞は動詞派生名詞を形成するが、ここで対象となる動詞はいわば「走る」や「書く」などの行為を表す動詞である。これらの動詞に -ūra 接尾辞が添えられると、それぞれの動詞の意味に応じて、その行為自体やその行為のプロセスなどを言う名詞になる: e.g. currere 「走る」→ cursura 「(競)走」, scrībere 「書く」→ scrīptūra 「執筆」, &c. 実際はもっと複雑ではあるが、これが多数の -ūra 名詞に共通する基本的な特徴であると言えるだろう。

    しかし、dictātūra は明らかにこれらとは異なる。これは動詞派生名詞ではなく、名詞 dictātor から派生していて、その概念の内の「職位、地位」に注目している。これは cōnsul でいうところの cōnsulātus である。他に dictātūra と同様の働きする -ūra 接尾辞を持つものとしては、cēnsūra (cēnsor), cognitūra (cognitor), praetūra (praetor) などがある。

    これらの二様の働きは似ても似つかないものではある。また、ここで -ūra と -tor, -ārius, -ātus (~ūs) との関係が浮上したが、今は問わない。



    【2013/07/18 22:47】 名詞 〔接尾辞〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    -ārius (SĪCĀRIUS)
    接尾辞 -ĀRIUS は本来、形容詞の接尾辞である。名詞接尾辞としてのこの接尾辞はそれゆえ、二次派生的である。名詞接尾辞としては、男性形は -ĀRIUS (-ī)、女性形は -ĀRIA (-ae) 、中性形は -ĀRIUM (-ī) として、辞書ではそれぞれ見出し語に掲載される。二次派生的ではあるものの、この接尾辞は元となる形容詞 (-ĀRIUS -a -um) を持たず名詞接尾辞としてのみ機能する場合がある。たとえば、sīcārius (-ī) 「刺客」は男性名詞であるが、これは名詞 sīca 「短剣」から直接派生しており、推測される形容詞 *sīcārius (-a, -um) は理論的にしか存在しない。このように、-ĀRIUS の名詞接尾辞化はしばしば散見されるところである。

    とりわけ男性名詞形成接尾辞としての -ARIUS に焦点を当ててその意味を調べていると、まずその大多数が手工業に携わる者、あるいは何らかの役職にある者を指す語であることが見て取れた。すなわち、この接尾辞の意味機能は「~を製造する人」、「~の役職に携わる人」というような概念の形成が主である。

    キケローの『カティリーナ弾劾』 第一演説の第八節に falcārius という語が登場するが、これは「鎌造り職人」を表す語である。これは名詞 falx 「鎌」から派生しているのであるが、ここからこの接尾辞の意味だけを取り出すならば、「それ(鎌)を製造の対象とする職人」ということになるだろう。一方で、先のsīcāriusは「短剣製造者」ではなく、どちらかといえば「(それを役職として)短剣に携わる人」であり、ここから「刺客」の意味が生じているものと捉えるのが妥当であろう。 これは、例えば arcārius 「会計官」 (< arca 「金庫」) に見られるような接尾辞の働きを基としていると言える。

    この他にも、そのベースとなる語の意味によって様々にその働きを導出することが出来るが、それらを一々隈なく調査するのは時間の無駄というものである。なので、適当にこのあたりで切り上げることにする。



    【2013/07/18 22:46】 形容詞 〔接尾辞〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    re- (RESPONDEO)
    respondēre 「応答する」 は spondeo「宣誓する」からの派生である.「応答、返答」の中に「宣誓」を直接読み取ろうとするのには無理がある。そこで気になるのは、当時「宣誓」は何処で、あるいはどのようにして為されていたかである。Lewis-Short を引いて見ると、それは次のように為されていたと記述されている。

    A: spondes? 「誓いますか」
    B: spondeo. 「誓います」

    ここに、respondeo 「応答する」における接頭辞 RE- の働きをはっきり読み取ることができる。

    【2013/07/18 22:45】 接頭辞 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    in- (INSIMULO)
    insimulāre 「告発する」は simulāre「真似る」の派生語である.どういう経緯で「真似る」が「告発する」になるのか、不可解に思った。これは、どうやら「告発」の定義を見直してみる必要がありそうだ。そもそも告発とは害を被ったとして訴える行為である。そして、原告はこのことを判事なり誰かにアピールする必要がある。その時にはもっともらしく被害者に見せることが大事だと考えられた。こう考えるなら、「真似る」からの派生に頷ける。ようするに,自分にも何らかの原因があるにもかかわらず,まったく罪のない者が加害に遭ったような風に装う.告発は誰かに向かって演技するわけであるから,それは in- の actional な機能が請け負う.これでこの派生が晴れて理解できるようになった.

    【2013/07/18 22:45】 接頭辞 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    ob- (OBSTUPESCO)
    obstupescere「麻痺する,唖然とする」における接頭辞 ob- は強調を示しているだろう。接頭辞のない stupesco も意味的にはこれとほとんど同じだからである。見方を変えれば、こうした強調の働きはほとんどの接頭辞に備わるものであり、いわば接頭辞の第二の機能である。これはメインの―,つまり第一の spatial function に対し、いわゆる actional function に相当し,派生元の動詞の意味機能に従って接頭辞が選択されている.数ある接頭辞の中で OB- がその任を負うのは、この stupesco のごとき状態変化をいう動詞である。そのように、stupesco は“感覚のある状態”からの変化をいう。そして、この変化を強調した表現が obstupescere である。同様の例は、辞書を開けばあちこちに見出すことができる。それらは obicere にのような動詞とは容易に切り離すことができよう。

    【2013/07/18 22:44】 接頭辞 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    prae- (PRAECIPIO)
    praecipere の意味は大きく二つの意味集合に分けられると思う。その第一のグループは「先手を打つ,機先を制する,予見する,予感する」といった意味の集合である。これらは、この語の成り立ち『(人より)先に+掴む』から直接把握されるので、この語の第一義として見ることができる。第二のグループは「助言する,教える,忠告する」といった意味の集合体であるが、これは第一のグループから派生したものと捉えることで、praecipere の意味として理解できる。 というのも,接頭辞 prae- と capere の組み合わせから直接これらの意味を推測するのはまず無理である.

    quibus hoc praecipiendum videtur

    さて,この文において praecipere の意味が分からないとする。それを語源的に導き出そうとするとき、頭を捻って「先取りする」の意味が導き出せれば上々である。しかし、それではこの文章は解読できない。そこでは予め私の言う第二の意味グループを知らないといけない。そうであって初めて、「彼らはこのように忠告(教示)されるべきであろう」と読める。(直訳すると、「彼らには (quibus) この事が (hoc) 忠告されるべきであると (praecipiendum ) 思われる (videtur)」。)

    ところで、このように意味を捻出する場合には、接頭辞がカギとなる。ここでは、この prae- をどう捉えるかによって明暗が分かれる. 先に praecipere の『(人より)先に+掴む』の派生過程を見たが、ここではその “(人より)”というのが大切である。(もっとも、このことは「予見・予感する」の場合には当てはまらない。(また、これは praecedo, praecurro などと一緒に括っておけば良いと思う。)それが大切なのは、その“(人より)”から第二グループが生じているからである。第二グループ「助言する,教える,忠告する」の派生の感じとしては、「(人より)先に掴んでいる者が~する」である。

    【2013/07/18 22:44】 接頭辞 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    ex- (EXCERCITATIO)
    名詞 exercitatio を形態的に分析して、そこから動詞 exercēre に遡り arcēre にまで至ることは容易である。だが、意味的にはどうだろう。こうして語形成の規則に従うように、機械的に遡る事ができるのだろうか。経験的に言って、多くの場合においてそれは否であると言える。 この exercitatio でも同じである。

    私は接頭辞や接尾辞を切り離せる語に出会うとそれを分解してその形成過程を辿るのを常とする。この場合にも、arcēre からどのように派生したのだろうと考える。それらは大体においてすぐに了解されるのだが、この excercitatio のように少々意外な事もある。arcēre は「包囲する」というのがその第一義である。感覚としては、柵などで囲う行為である。ここから色々な意味が arcēre 内部で派生するのだが、exercēre はこの原義に基づく派生である。さて、exercēre において接頭辞 ex- はどのような働きをしているだろうか。前置詞 ex が分離を示すものであれば、この ex- は arcēre の「包囲する」という行為の「外界との分断」に着目させるものであると私は考える。そうすることで、exercēre の 「訓練する」、「耕す」、「(権利を)行使する」、「経営する」などといった一見支離滅裂な意味の集合にも共通の母体を見出すことができる。

    英語 excercise を手元の電子辞書で引いてみると、その語源欄では次のように説明されていた:「ex-(外へ)+-ercise (包囲、束縛する)=束縛から外へ出す」→「運動させる」.この分析は,私の考察とはまったく異なっている。どちらが正しいのか、本当のところは古のラティーニーに尋ねる他ないが、それらはある程度再構築することが出来る。私はこの説に自信があるので、こうした断片的な説明を受け入れることはできない。実際、このような説明で納得出来る人がいるだろうか。

    【2013/07/18 22:42】 接頭辞 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    -AS 副詞
    おそらく aliās, alterās, forās, utrāsque, interutrāsque, interviās の6つくらいしか見当たらない。このうち、広く使われるのは aliās, alterās, forās, utrāsque くらいであり、 interutrāsque はルクレーティウスにしか使用例がなく、 interviās はプラウトゥスに2例確認されるだけである。

    -ās は女性複数対格の語尾がフリーズして副詞接尾辞と化したものである (frozen accuzative)。これらの副詞の元は形容詞であるから、何かしらの女性名詞が省略されていると考えられ、一節によるとそれは vices 「置換」であるという。しかし、それはもう古典期より大分前の話だろう。もう早くから -as は副詞接尾辞化していたと考えられる。それゆえ、それぞれの意味を一々 vices に繋げて考えようとするのは無意味である。ともかく、非常に生産性の低い接尾辞である。



    【2013/07/18 22:41】 副詞 〔接尾辞〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    gāvīsus (GAUDEO)
    【GAUDEO - gāvīsus】
    この語幹変化は語源の知識が無ければ理解できない.
    「"v"に後続するストレスの無い"i"は排除される」という規則がある [*gā-video, gā-vīsus].
    こう見れば video の変化と同じである。



    【2013/07/18 22:40】 動詞 〔完了分詞幹〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    (-IO, īre,) īvī, ītus.
    第4変化動詞がその圧倒的多数を占める "īv-, īt-" の変化パターン。

    ここには、tero (trivi, tritus) や quaero (quaesivi, quaesitus) など第3変化動詞も幾つか属するが(7例程度),第2変化動詞でこのパターンを見せるものは一つもない。

    【2013/07/18 22:36】 動詞 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    未来分詞幹と完了分詞幹が異なる動詞
    本当に IUVO, LAVO, PARIO, RUO, SECO, FRUOR, MORIOR, ORIOR の8つだけか。
    要調査。


    【2013/07/18 22:34】 動詞 〔完了分詞幹〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    fluxus? fluctus? (FLUO)
    fluere「流れる」の完了分詞は fluxus だが、fluctus ~ūs「洪水」という名詞はこの fluo からの派生語。 つまり、fluere の完了分詞幹は flux- と fluct- の二種が理解されている必要がある。実際、diffluo の完了分詞幹は diffluct- である。tendere に tensus と tentus の二種類の完了分詞形があるのと状況は似ている。

    どうしてこんな事態になったのか。このように完了分詞の幹末に x が現れる動詞は他に、ct- 動詞 と私の呼ぶ flectere, plectere, nectere, pectere (flexus, plexus, nexus, pexus) および fīgere (fixus)だけである。これらの動詞の幹末には口蓋音が確認される。しかしながら、fluere には確認されないので語源を遡ると、*bhleugw-e/o-(特殊文字表記不可)と、幹末子音にちゃんと gw が入っていた。つまり、fivere の類である(この記事を参照)。



    【2013/07/18 22:31】 動詞 〔完了分詞幹〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    -nōtus? -nitus? (-NOSCO)
    nōscere の完了分詞は nōtus であり、派生動詞 īgnōscere, pernōscere, internōscere の完了分詞はそれぞれ īgnōtus, pernōtus, internōtus である。しかし、cognōscere, agnōscere の完了分詞に限っては、単純に考えれば *cognōtus, *agnōtus となりそうなところであるが、しかし実際は cognitus, agnitus となる。

    ō > i の変化は語中音節における母音弱化現象として説明することができる。このように一部の派生動詞でのみ弱化現象が確認されるのは現在幹ではそれほど珍しいことではないが、ppp. 幹でのみ起こるというのは極めて異例である。たとえば、 -habēre と -hibēre の ppp. 幹はそれぞれ -habitus, -hibitus であり、 -pangere と -pingere に至っては共に -pāctus である。ただ、nōscere の場合、現在幹に sc- 接尾辞を有するので、現在幹には現れ得なかったのかもしれない。

    ところで、なぜ cognitus と agnitus に限って弱化が起きたのだろうか。確かなことは何も言えないが、この2動詞が代替的であり得たことと関係するのかもしれない。ピュティアの有名な勧告 "Γνῶθι σεαυτόν" (汝自らを知れ)をラテン語で表現する場合、キケローは nōscere, cognōscere, agnōscere の3つを用いている。

    Cum igitur 'nosce te' dicit, hoc dicit: 'nosce animum tuum' [Cic. Tusc. 1.52]

    ipsos cognoscimus [Cic. Fin. 5.41]

    ipsa se mens agnoscat coniunctamque cum divina mente se [Cic. Tusc. 5.70]





    【2013/07/18 22:28】 動詞 〔完了分詞幹〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    mortuus (MORIOR)
    morī「死ぬ」の完了分詞 mortuus は特殊で、こんな異様な完了分詞形は他にない。ēmorī や immorī などの派生動詞においても同じである。一説によると、-ivus とも関係があるそうな。

    morī は完了分詞幹と未来分詞幹が異なる動詞の一つで、その未来分詞幹は morit- である。morī の不定詞 MORIOR は orīrī の不定詞 ORIOR に似ているし、どちらも完了分詞幹とは異なる未来分詞幹をもつ。しかし、morī は第3変化動詞で、orīrī は第4変化動詞。morī があたかも第4変化動詞であるかのような morīrī という不定詞形の使用も確認される。これは覚えるための一つの便宜として。

    【2013/07/18 22:25】 動詞 〔完了分詞幹〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    ~EN, inis.
    語尾の形態と性との関連

    -EN, inis は基本的に中性名詞と見なして良い.

    ■ 中性
    1. 接尾辞 -MEN
    2. その他 (e.g. abdōmen, bitūmen, cacūmen, ferrūmen, grāmen, nōmen (agnōmen, cognōmen), ōmen, pollen, termen, inguen, unguen, glūten, &c.)

    ■ 男性(例外的)
    1. 接尾辞 -CEN (e.g. corni-cen, fidi-cen, liti-cen, & c.)
    2. flāmen 「神官」



    【2013/07/18 22:13】 名詞 〔第3変化名詞〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    NIX (nivis) 「雪」の語幹
    nix の属格は niv-is である。これは非常に特殊な語幹変化である。というより、このような語幹の変化を見せる名詞はおそらく nix の他にない。単数主格において -x となる名詞の語幹末子音は、そのほとんどが喉音(g-)か口蓋音(c-)であり、しかもそのうちの大半は口蓋音(c-)であり、喉音(g-)もそれほど多くは見られない。(e.g. index, indic-is; rex, reg-is)

    さて、nix に戻ると、これは(c-)でも(g-)でもなく(v-)をその語幹末にもつ。そこで、「何故だ」となる。この問題は語源学に属するものであるが、それほど込み入った詮索をしなくてもこの問題は解決できそうである。 -x- ということで他に思い浮かぶのは、動詞の完了幹における幹末子音である。ここにおいても c- あるいは g- が大半を占めるのであるが (e.g. iungo, iunx-i; specio, spex-i)、ここでは名詞の場合と少し事情が違ってくる。

    veho や traho はそれぞれ、vex-i, trax-i であるし(h-)、unguo, stinguo は unx-i, stinx-i (gu-)、coquo も cox-i である (qu-)。そこで、現在幹にv-音を持ち、なおかつ完了幹において -x の形態をとる動詞はないかと尋ねてみると、ちょうど vivo, vix-i (v-) が見いだされる。また、coniveo という動詞もその一つである。これらの語幹には、w 音が共通して見出される。(cf. Leumann“Lateinische Laut- und Formenlehre”, §169)

    このように、動詞において v 音と x 音との間には繋がりをいくらか見出すことができるのだが、名詞においてこの連繋を見せるものは nix 以外にはなさそうである。


    > 補足

    先に nix (G. nivis) の変化について書きました。そして、v と x との関連を動詞の完了幹から証しました。そして、この関係を見せる動詞として vivo, coniveo をとり上げたのですが、ここにさらに figo を加える事ができるのを知ったので、補足として報告します。
    __

    figo の完了形は fixi であるが、その現在幹の語幹末子音は g である。しかし、figo は、元の形は fivo であったらしい。であれば、これら v-x の仲間に figo を入れて差し支えない。figo という形はその完了形から類推されたもので (x > g)、それがそのまま定着し、元の形は忘れられてしまったものらしい。

    これらにおける v - x の関連は、比較言語学によっても確証されている。すなわち、この v は印欧祖語の *gu (特殊文字表記不可)に由来するとされる。それが、なぜかラテン語では完了幹、完了分詞幹において現れる。

    いや、見方を変えれば、現在幹が特殊なのである。名詞でも、第三変化名詞の単数主格形は、いわば特殊形である。だが逆に、 s を背後に見ると過去の記憶が甦るのだとも言える。-s は完了幹を作り、また名詞の主格形も作る。nix はそこにおいて本来の自分の姿を思い出すのである。ラテン語の立場からみると、主格形、完了形、完了分詞形が特殊なのであるが、遠い祖先の目でみるなら、それが逆に映る。


    (参照)
    Leumann (Lateinische Laut- und Formenlehre, §157)

    【2013/07/18 21:58】 名詞 〔曲用〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)






    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。