ΣΤΟΙΧΕΙΑ
― 西洋古典原論 ―


PROFILE


Author:兎狐
自然栽培農家。のら仕事に出ているので更新はまちまち。
RSS1.0

CATEGORY


  • 『ラテン語動詞の完了幹形成法』 (1)
  • 『フランス語動詞の活用の覚え方』 (2)
  • 『ラテン詩の規則』 (1)
  • 名詞 〔曲用〕 (2)
  • 名詞 〔接尾辞〕 (1)
  • 名詞 〔第3変化名詞〕 (1)
  • 形容詞 〔接尾辞〕 (1)
  • 副詞 〔接尾辞〕 (2)
  • 動詞 (5)
  • 動詞 〔完了幹〕 (3)
  • 動詞 〔完了分詞幹〕 (7)
  • 接頭辞 (5)
  • yomimono (7)
  • ローマ帝国の歴史 (1)
  • ドロア (2)
  • ドロア(『ラテン詩の規則』専用) (4)
  • ストバイオス (1)
  • yomimono


  • キケロー『カティリーナ弾劾演説』
  • プラトーン『ソークラテースの弁明』
  • セネカ『ルーキーリウス宛第7書簡』
  • ストバイオス『精華集』
  • Main Article


  • + ラテン語動詞の活用

    —– 活用早見表 (埋め込みPDF)

    —– 活用練習帳 (埋め込みPDF)


    + ラテン語動詞の完了幹形成法

    —– I. s-完了幹


    + ラテン詩の規則

    —– ウェルギリウス『アエネーイス』に学ぶラテン詩の規則 


    + フランス語動詞の活用の覚え方

    —– 1. Groupe A

    —– 2. Groupe B




  • スポンサーサイト
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。


    【--/--/-- --:--】 スポンサー広告




    DEUS の格変化
    何かと厄介なDEUS の格変化を整理しておく。

    sg.






    pl.



    nom.
    voc.
    gen.
    acc.
    dat.
    abl.

    nom., voc.
    gen.
    acc.
    dat., abl.

    deus 1
    (deus, dee, dīve) 2
    deī
    deum
    deō
    deō

    (dii), deī 3
    deum
    , deōrum (poet. dīvum, dīvom) 4
    deōs
    dīs
    (diis), deīs 5



    1. 単数主格 — deus
       【PIE *dei-u-o- / PIt. *deiw-】 : dīc-(ere) の古形 deic- が示すように、ラテン語では PIE における ei は次第に ī へと昇華する。はずなのであるが、deus はなぜか ē の段階に止まった。そこからは、*dēw-os > *dēus > deus という成立過程が想定される (s.v. de Vaan deus)。それに対し、形容詞の dīvus は *deiw-os > *dēw-os > dīv-us と、健やかに育つことができた (PIE *u > PIt. *w > Lat. v).

    2. 単数呼格 — deus? dee? dīve?
       古典期のラテン語に DEUS の単数呼格は無かった。呼びかけるときは、その神の名で呼びかけたからである。と、このように理解しておくとすっきりして良い。deus か、dee か、それとも dīve かという問題があるが、あまり首を突っ込みたくはない。初期のキリスト教文献では単数呼格 dee が散見されるようだが、ウルガータを含めそれ以降はもっぱら deus が用いられたようである。関心のある向きには次の論文がお勧め。

    Rauk, J., (1997), "The vocative of Deus and its problems" in Classical Philology, Vol. 92, No. 2, pp. 138-149.

    3. 複数主格・呼格 — (dii), deī
       dī は時々 dii と綴られたが、発音上はどちらも1音節である。写本ではしばしば dii と表記されるが、それはおそらく dī の ī が長音であること (ī = ii) を示すために過ぎない (s.v. L-S deus “dii is freq. in Mss. but prob. indicates only the length of the ī”). Plautus (254–184 BC) や Terentius (195/185–159 BC) は deī の形を一度も使用しないが、それはその形が後世に出来たものだからである。複数主格語尾 -ī が -ei > -ē > -ī という発展を遂げたことは金石文が示す通りである: e.g. VIREI (virī), PLOIRVME (plūrimī)。dī はこの過程で deei > deē > dē (contracted) > dī という発展を遂げたと考えられる。この過程において deī という形の生じる余地はなく、それはすでに固定化した複数主格語尾 -ī を DEUS の語幹 de- に後付けしたものである。
       ところで、この dī と deī の使用頻度を相対化するため、試しに Cicero "De natura deorum" (『神々の本性について』)における使用例をそれぞれ数え上げてみると、dī (23); dii (8); deī (10)(単数属格 deī を除く)と、dī (dii) が全体の 77.6% を占める結果となった。ただし、校訂の問題も絡んでいる上、韻律の都合によって使い分けられたことも十分考えられる。よって、この数値は参考程度にすべきであるが、それでもこの結果は3つ全ての形態がひとつの散文著作のなかに散りばめられていることを示していて興味深い。このことから、少なくともキケローその人は、これら3つの形態を何らかの法則に則って使い分けていたということが分かる。そのすべてを審らかにするのは困難だが、比較的容易に見て取られることは、 dī immortālēs, dī bonī, dī patriī, のように、呼格の場合は必ず dī (dii) が用いられるということである。この法則は、キケローに限らず古典期以前の全著作について言えるものである。あとは、私の安易な憶測に過ぎないが、dī と比較して deī の使用例が少ないことやその音節数が多いこと、さらにはそれが正嫡の形でないことなどから、その使用には何らかの強調の意図を読み取ることが出来るかもしれない。

    4. 複数属格 — deum, deōrum (poet. dīvum, dīvom)
       DĒNĀRIUS や STADIUM のように金額(=コインの名称)や長さの単位を表す o- 幹名詞の複数属格語尾は -ōrum ではなく -um であることが多い (dēnārium, stadium)。こちらが本来の属格語尾である。古典期に -ōrum に移行した後も、これら名詞は元の形態を保った。その他、DEUS, FABER, LĪBER, SOCIUS, VIR においても -um / -ōrum が競合する (deum / deōrum, fabrum / fabrorum, lībrum / lībrōrum, socium / sociōrum, virum / virōrum)。また、詩ではこれらの語に限らず -um の語尾が採られることがあり、dīvum, dīvom は形容詞 DĪVUS の複数属格の詩形である。vu <=> vo については、v に先立たれる u には一般にこのような関係が確認される (e.g. vultus <=> voltus)。

    5. 複数与格・奪格 — dīs (diis), deīs
       複数主格・呼格 “dī (dii), deī” と同じ根拠にもとづき、与格・奪格も “dīs (diis), deīs” の表記が推奨される。つまり、基本的に dīs が用いられ、ī の長音を示すために diis と表記されることもあり、理論的な形態 deīs はあまり用いられない。Cicero “De natura deorum” におけるそれぞれの使用例を数え上げてみると、dīs (35); diis (3); deīs (7)、Gellius “Noctes atticae” では dīs (9); diis (3); deīs (0) となった。



    【2013/07/26 00:57】 名詞 〔曲用〕 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




    この記事に対するコメント


    この記事に対するコメントの投稿













    管理者にだけ表示を許可する


    この記事に対するトラックバックトラックバックURL
    →http://fennecc.blog.fc2.com/tb.php/24-d5dab365

    TOPへ


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。