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― 西洋古典原論 ―


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Author:兎狐
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    フランス語動詞の活用の覚え方 1. Groupe A
    『フランス語動詞の活用の覚え方』
    1. Groupe A
    ~第3群動詞の直説法現在を中心に~


    トリコロール


    Avant-Propos

    ラテン語に続いてフランス語の活用についてもこれといったものに出会えず、自分で作ることになりました。フランス語動詞の活用は覚えにくいというのが、多くのフランス語学習者の悩みではないでしょうか。ある程度学習が進んで読解に取り組む段になっても、体系的に活用を把握できていないと何度となく辞書の巻末を参照することになり、それが読解の大きな足枷となります。ですから、長い目で見ると動詞の活用を最初にまとめて覚えてしまうのが効率的なのですが、しかし習得の手引きとなる理想的なツールは残念ながら今のところ見当たりません。私はかなりの面倒くさがり屋でして、地道に1つ1つ書いて覚えるということが大の苦手です。ところが、ほとんどの参考書ではそのようにして覚えることが前提にされているため、いつまで経っても把握できない。しかしラテン語を学んできた私にはもっと楽に覚えられる方法があるという確信がありました。この確信のもと、全く新らしいフランス語の活用体系の覚え方をここにご提案させて頂く次第です。寡聞にして私のような覚え方をされている方を知らず、多少自信が揺ぐのですが、私はこの方法で動詞の活用体系を完璧に把握しましたし、私が出来たのだから多くの人にも当てはまるだろうと思います。

    私の説明方法は主流から大きく逸れるため大がかりな改修作業を要すると思われるかもしれませんが、これまで学んでこられた活用の知識が無駄になるということはありません。そうではなく、これまで集積されてきた活用の知識をここでまとめ上げて頂きたいと思っています。そのためには、従来通りの方法をもってしては不可能であるとしか言いようがありません。直説法現在に関して、従来のように語幹を「1語幹・2語幹・3語幹」の3つに分け、活用表を視覚的に用いて図形として覚えさせようとするのはどう見ても苦肉の策です。さらには、「nous 語幹」から人称語尾を除いてとか、「ils 語幹」から人称語尾を除いてとか、どの時制がどの語幹から作られるのか、もう混乱するばかりです。語学において規則というのはシンプルでなければ用を成さないどころか、初学者を遠ざけてしまう原因ともなりかねないと思います。ギリシャ語やラテン語といった古典語の場合にはやむを得ないと思いますが、フランス語の活用体系は今よりずっとシンプルにまとめられます。フランス語の動詞に頭を抱える方はもちろん、フランス語を教えておられる先生方にも僭越ながら何かしらのイデーの種となればとの思いから、ここに全く新しい活用体系をご提案させて頂こうと思います。

    各項目については、私よりもっと上手に説明される方がたくさんいらっしゃると思います。「ここはこうした方が良いのでは」とか、何か気付かれるところがありましたらコメント欄かツイッターの方までお声を寄せて頂ければ有難く存じます。私自身も気付いたところがあり次第、追記してゆこうと思います。動詞の活用という大きな壁を乗り越えるために、本稿がわずかでもお力添えになれれば幸いに思います。





    Sommaire


    フランス語動詞の活用体系
    Groupe A の覚え方
    Groupe A 各論
    直説法現在の覚え方
    第3群動詞の直説法現在の覚え方



    -RE-IR-OIR
    《1語幹》《2語幹》《1語幹》《2語幹》《1語幹》《2語幹》
    nd-TT--s -s -t-s -s -t-s -s -t-s -s -t
    rd-SC- (ss-)-e -es -e(-x -x -t)-x -x -t
    nc-NG- (gn-)
    mp-K-, G- (s-)
    母音幹V- (v-)
    その他


    まとめ





    Introduction



    1. フランス語動詞の活用体系

    フランス語の活用体系は大きく3つに区分することができます。最終的な目標は、無数にあるフランス語動詞のすべてを自在に活用させられるようになることです。難しいようですが、9割くらいまではすんなり覚えられるかと思います。参考書などで散々脅かされてこられたと思いますので、こうお聞きになってもおそらく半信半疑ですよね。でも本当です。これら3つのグループは全て大切なのですが、まずは Groupe A を制覇しましょう。


    Groupe AGroupe BGroupe C
    現在分詞
    直説法現在
    直説法半過去
    命令法(現在)
    接続法現在
    不定詞
    直説法単純未来
    条件法現在
    過去分詞
    直説法単純過去
    接続法半過去

    トリコロール

    2. Groupe A の覚え方

    Groupe A を把握するには直説法現在をしっかり押さえておく必要があります。命令法はほとんど直説法現在そのものですし、現在分詞、直説法半過去、接続法現在は直説法現在の「現在幹」(あとで説明します)から簡単に導くことができます。ですから、直説法現在を完璧に把握しておけば、このグループの特殊形を除く9割以上の活用形が自在に操れることになります。それら特殊形はノートにびっしり書くなりして覚えればよく、変に規則のもとで捉えようとしないことです。そうすると、Groupe A の活用がかなりシンプルなものであるということに納得いただけるかと思います。Groupe A の各時制の人称語尾は次の通りです。


    現在分詞 -ant
    直説法現在〔第1群〕-e -e -t ; -ons, -ez, -ent
    〔第2群〕-s -s -t ;
    〔第3群〕-s -s -t (-e -e -t, -x -x -t);
    直説法半過去 -ais -ais -ait ; -ions -iez, -aient
    命令法 = 直説法現在
    接続法現在 -e -es -e ; -ions -iez -ent

    以下の説明は本稿で直説法現在の活用体系を完璧に把握されてから読んでいただけばよくお分かり頂けると思いますが、現在分詞、直説法半過去、接続法現在は直説法現在に現れる「現在幹(2語幹動詞は複数人称語幹)」に上記の語尾を添えるだけで得られます。例えば・・・


    donn-perd-vainc-croi-ri-
    現在分詞 ... donnantperdantvainquantcroyantriant
    直説法半過去 ... donnaisperdaisvainquaiscroyaisriais
    接続法現在 ... donneperdevainquecroierie
    (2語幹動詞)finiss-joign-lis-absolv-moul-
    現在分詞 ... finissantjoignantlisantabsolvantmoulant
    直説法半過去 ... finissaisjoignaislisaisabsolvaismoulais
    接続法現在 ... finissejoigneliseabsolvemoule

    これらの活用形をご覧になって、パッと辞書を引けますでしょうか。とくに2語幹の方で迷われるかもしれませんが、直説法現在を完璧に覚えると、これらの活用形が自在に出てくるようになるはずです。時々「現在分詞幹」にこれらの語尾を添える、と説明されることがありますが、最も馴染みのある直説法現在に基づいて理解しておく方が良いと思われます。
    4つの不規則動詞の基本形は以下の通りです。語幹が上の動詞群のように一貫していないことが分かります。

    ét-av-all-fais-
    現在分詞 ... étantayantallantfaisant
    直説法半過去 ... étaisavaisallaisfaisais
    接続法現在 ... soisaieaillefasse
    命令法 ... soisaievafais

    トリコロール

    3. Groupe A 各論

    現在分詞

    例外は AVOIR (ayant), SAVOIR (sachant) の2動詞だけで、これらの動詞の現在分詞幹は接続法現在と共通点を持ちます。その他の動詞は規則通り「現在幹(2語幹動詞は複数人称語幹)」に -ant 語尾です。 ÊTRE の現在分詞 étant は直説法現在が不規則的であるためこれらの例外の中に含まれることが多いのですが、その「現在幹」を ét- として覚えておくと規則通りに得られます。


    命令法

    命令法は2人称単数形 (tu) で語末の -s が落ちるものがあります (第1群動詞, ALLER, COUVRIR, OUVRIR, *FRIR)。その他、直説法現在ではなく接続法現在と活用形を同じくする動詞 (ÊTRE = sois, soyons, soyez ; AVOIR = aie, ayons, ayez), 接続法現在の語幹に基づく動詞 (SAVOIR = sache, sachons, sachez ; VOULOIR = veuille, veuillons, veuillez) とがあります。


    直説法半過去

    例外はなく、規則通り「現在幹(2語幹動詞は複数人称語幹)」に人称語尾を付すだけです。ÊTRE (étais) が例外に挙げられるかもしれませんが、現在分詞の場合のように、その「現在幹」を ét- として覚えておくと規則通りに得られます。また、直説法半過去と条件法現在 (Groupe B) は人称語尾が同じになりますが、語幹は異なります。


    接続法現在

    接続法現在については少し説明を要するのですが、一部の動詞を除き、大部分の動詞は規則通りに「現在幹(2語幹動詞は複数人称語幹)」から活用形が得られます。しかし、直説法現在において3人称複数語幹 (ils 語幹) で語幹母音が変化する動詞がありましたね。本稿では赤で強調してある活用形です (いわゆる3語幹動詞と呼ばれるものです)。

    -RE 不定詞 → PRENDRE, BOIRE
    -IR 不定詞 → MOURIR, ACQUÉRIR, TENIR, VENIR
    -OIR 不定詞 → RECEVOIR, DEVOIR, MOUVOIR, POUVOIR, VOULOIR

    これらのうち、直説法現在の単数人称で -x -x -t 型に活用する動詞 (POUVOIR, VOULOIR) を除く9動詞 + JETTER の全10動詞は、複数人称語幹ではなく語幹母音の変化した ils 語幹をベースに接続法現在の単数人称の活用形を導きます。ただし、接続法現在の複数人称の活用においては、直説法現在における語幹母音のパターンを維持します。このことを記号化して示すと次のようになります:


     ‒ ‒ ‒ ; b b a(直説法現在)
     a a a ; b b a(接続法現在)
    例) BOIRE :bois, bois, boit ; buvons, buvez, boivent
    boive, boives, boive ; buvions, buviez, boivent

    -x -x -t 型の活用をする -OIR 動詞 POUVOIR, FALLOIR, VOULOIR, VALOIR の4動詞 (FAILLIR は -x -x -t 型の活用 をするが -IR 動詞で規則通り) と4つの不規則動詞 + SAVOIR の全9動詞は独特の接続法現在語幹を持ちます。


    <-OIR 動詞>
    puiss- puisse, puisses, puisse ; puissions, puissiez, puissentPOUVOIR
    faill- (il) failleFALLOIR
    veuill- veuille, veuilles, veuille ; voulions, vouliez, veuillentVOULOIR
    vaill- vaille, vailles, vaille ; valions, valiez, vaillentVALOIR

    <不規則動詞>
    soi- sois, sois, soit ; soyons, soyez, soientÊTRE
    ai- aie, aies, ait ; ayons, ayez, aientAVOIR
    aill- aille, ailles, aille ; allions, alliez, aillentALLER
    fass- fasse, fasses, fasse ; fassions, fassiez, fassentFAIRE

    SAVOIR
    sach- sache, saches, sache ; sachions, sachiez, sachentSAVOIR

    ÊTRE は単数人称語尾が -s -s -t であり, AVOIR も3人称単数 il 語幹で語尾が -t となります。VOULOIR, VALOIR, ALLER の3動詞は nous, vous においては規則通りの語幹の変化パターンを見せます。これら全19動詞についてはノートに書いてそのまま覚えてしまうのがよいと思います。


    トリコロール

    4. 直説法現在の覚え方

    これからフランス語を学ぼうという方には、まず ÊTRE, AVOIR, ALLER, FAIRE の直説法現在をしっかり覚えていただき、次に辞書の巻末を利用して第1群動詞と第2群動詞の活用を遠目で眺めておかれることをお勧めします。そしてここからが本番です。第3群動詞の活用を完璧に把握します。これが把握できれば、あとはスマートフォンのアプリケーションなどを利用して空き時間にゲーム感覚で活用の練習を繰り返すだけです。大阪大学の岩根先生による『活用虎の穴』はその意味でとても理に適っており、私も時々記憶をチェックするために利用させて頂いてます。ただ言語ですから、音として耳で覚えることは重要です。私は旺文社の仏和辞典『プチ・ロワイヤル』付属のCDを主に利用しましたが、何でもいいので暗唱できるようになるまで聞き込んでください。これだけで、直説法現在はマスター出来ます。

    ÊTRE → suis, es, est ; sommes, êtes, sont
    AVOIR → ai, as, a ; avons, avez, ont
    ALLER → vais, vas, va ; allons, allez, vont
    FAIRE → fais, fais, fait ; faisons, faites, font

    トリコロール

    5. 第3群動詞の直説法現在の覚え方

    まずは、意識的に不定詞の形を忘れるようにしてください。辞書の見出し形としての不定詞は、どうしても必要以上に重視される傾向にあるからです。不定詞はあくまでも不定詞であり、直説法現在の活用の基点となるわけではありません。確かに語源を共通にしますのでそのようにできる場合も多々あるのですが、しかしそうしている限り第3群動詞の活用体系を把握するのは困難です。とはいえ、不定詞と語幹を関連させて覚えていないと辞書も引けないわけですから、完全に忘れるようにということではなく、「語幹」に意識を集中させる必要があるということです。つまり、覚えるべきは直説法現在の「語幹」なのです。この語幹をどのようにして覚えるかと言えば、語源との関連付けが最も効果的です。これが、私の思う理想的な方法です。ですから、ラテン語の基礎文法を学び読解まで経験したことのある方は、ラテン語の動詞に慣れている分、多少有利であると言えます。しかし、ラテン語を学んだことがない方でも心配に及びません。私の導入する動詞の分類が語源と関係があることを理解されるだけで十分だからです。関係で把握するのが楽に覚えるための鍵となります。


    ——動詞の分類

    第3群動詞は「第1群動詞、第2群動詞および不規則動詞 (ÊTRE, AVOIR, ALLER, FAIRE) 以外の動詞」と定義します。これら3つの動詞群の由来についてざっくり言ってしまえば、第1群動詞はラテン語の第1活用動詞に、第2群動詞は -SC- 接尾辞動詞に、第3群動詞は第2・第3・第4活用動詞に由来します。第3群動詞のうち、ラテン語の第2活用動詞は -OIR 動詞、第3活用動詞は -RE 動詞、第4活用動詞は -IR 動詞と関連付けられるのですが、このこと自体は特に覚えなければならないわけではなく、ただ第3群動詞は他の動詞群と違って、「あまりものの寄せ集め」的な性格があることを知っていただければと思います(こういうとちょっと不適切かもしれませんが)。ただこの動詞群を「不規則動詞」と呼ぶのには抵抗を感じます。よくそう呼ばれているのを目にするのですが、私の中で第3群動詞の活用は不規則ではないので、そう聞くといつもモヤモヤした気持ちになります。先の4動詞についてはそう呼んで構わないと思うのですが、第3群動詞を不規則動詞と呼ぶ慣行は不適切ではないかと思ってます。


    ——本稿の構成

    本稿ではこの観点から動詞群を -RE, -IR, -OIR と分けていますが、これは便宜的なもので特に意味はありません。ですから、シンプルに1語幹と2語幹にまとめて下さっても構いません。一応本稿に沿って説明しますと, -RE, -IR, -OIR の動詞群それぞれに1語幹のものと2語幹のものとがあります。ふつう1語幹と2語幹に加え3語幹という説明がされるかと思いますが、私はそこまで細かい区分は導入しません。それは例外として覚えると良いと思うからです。ですから、私がご提案する直説法現在の活用体系はとてもシンプルです。表では語幹を見れば簡単に活用できるようになっています。例外的な活用形は強調してありますし、そこさえ意識していただければ、「3語幹」という概念を導入せずに説明することができるのではないかと考えます。


    ——本稿の読み方

    本稿をざっと見ていただくとお分かり頂けるように、不定詞と実際の活用形を隠して語幹を強調してあります。まずは語幹から全ての活用形を導出できるようになっていただきたいのです。表では人称代名詞を省いてありますが、活用させるときは je や tu などを添えて活用させるのが良いかと思います。不定詞も語幹を見ただけで言えるようになってください。これが出来なければ辞書を自在に引くことが難しいからです。ラテン語に関心のある方は、語源動詞まで覚えてみてください。Wiktionnaire でお調べいただくとすぐに語源が出てきますので、手軽な語源辞典としてご紹介しておきます。また、訳語は添えませんでしたが、できれば意味を意識しながら把握されることをお勧めします。おそらく本稿をご覧いただいている方は相当にフランス語の学習が進んでいらっしゃると思いますので、登場する大方の動詞の基本的な意味は押さえられているかと思います。また、本稿に掲載した基礎動詞のほとんどが接頭辞派生動詞をもちます。例えば、prendre であれば APPRENDRE [ad-PRENDRE] のような接頭辞派生動詞を持ちます。このような動詞も基礎動詞 PRENDRE と同じ活用をしますから、その派生動詞も一緒に把握しておくと語彙も増えますし良いと思います。派生語を調べる手段には色々あるかと思いますが、個人的には『プチ・ロワイヤル』のアプリが便利だと思います。後方検索機能が付いていて、意味もすぐに調べられますので。あと語彙による索引を作ろうかと考えてみたのですが、それほど多いわけでもありませんし、どこにどの動詞があるかまで覚えてしまってください。



    それでは、いよいよ本題です。




    不定詞 -RE


    《1語幹》
    トリコロール
    不定詞は語幹に -RE を添えると得られます。
    (例 : prend- + -RE = PRENDRE)



    nd- 幹

    〔発音〕ond- /ɔ̃(d-)/ and- /ɑ̃(d-)/ end- /ɑ̃(d-)/
    fond-fonds, fonds, fond ; fondons, fondez, fondentFONDRE
    pond-ponds, ponds, pond ; pondons, pondez, pondentPONDRE
    tond-tonds, tonds, tond ; tondons, tondez, tondentTONDRE
    °pand--pands, -pands, -pand ; -pandons, -pandez, -pandentré-PANDRE
    °scend--scends, -scends, -scend ; -scendons, -scendez, -scendentde-SCENDRE
    fend-fends, fends, fend ; fendons, fendez, fendentFENDRE
    pend-fends, fends, fend ; fendons, fendez, fendentFENDRE
    tend-tends, tends, tend ; tendons, tendez, tendentTENDRE
    vend-vends, vends, vend ; vendons, vendez, vendentVENDRE
    rend-rends, rends, rend ; rendons, rendez, rendentRENDRE
    prend-prends, prends, prend ; prenons, prenez, prennent (1)PRENDRE

    (1)nous /pʁənɔ̃/ vous /pʁəne/ ils /pʁɛn/


    不定詞語末に -NDRE をもつ動詞には1語幹のものと2語幹のものとがあります。そのどちらかで迷われた時はその語幹音節の核母音、すなわち nd の直前の母音に注目すると良いですね。それが単母音ならラテン語の ND- 動詞由来で1語幹、複母音なら NG- 動詞由来で2語幹です。



    rd- 幹


    mord-mords, mords, mord ; mordons, mordez, mordentMORDRE
    tord-tords, tords, tord ; tordons, tordez, tordentTORDRE
    perd-perds, perds, perd ; perdons, perdez, perdentPERDRE

    語源的に共通点のない MORDRE (L. mordēre), TORDRE (L. torquēre), PERDRE (L. perdere = per- + dare) の3動詞です。



    nc- 幹


    vainc-vaincs, vaincs, vainc ; vainquons, vainquez, vainquentVAINCRE

    複数語幹では母音が後続するため qu- と綴って /k/ 音であることが示されます。



    mp- 幹


    romp-romps, romps, romp ; rompons, rompez, rompentROMPRE


    母音幹


    croi-crois, crois, croit ; croyons, croyez, croientCROIRE
    trai-trais, trais, trait ; trayons, trayez, traientTRAIRE
    °clu--clus, -clus, -clut ; -cluons, -cluez, -cluentcon-CLURE
    ri-ris, ris, rit ; rions, riez, rientRIRE

    語幹末が母音ですから、母音始まりの人称語尾の前で複母音の oi- と ai- は oy-, ay- とするのですが、単母音の u と i の場合には綴りに変化がないのでこの母音連続に慣れるまで違和感が残るかもしれません。ちなみに、TRAIRE (trahere) を除き、これらの動詞はラテン語の D- 動詞由来です (conclūdere, audīre, crēdere, rīdēre)。





    《2語幹》
    トリコロール
    不定詞は、主に単数語幹に -TRE, -DRE, -RE を添えてつくります。


    ラテン語 TT- 動詞


    bat-bats, bats, batbatt-battons, battez, battentBATTRE
    met-mets, mets, metmett-mettons, mettez, mettentMETTRE

    単数語幹では発音されない同じ子音が無駄に重なることを避けた結果、語幹末子音をひとつだけ綴るようになったものと思われます。



    ラテン語 SC- 接尾辞動詞

    〔発音〕 ai- /ɛ/ ; aiss- /ɛs-/ — aître /ɛtʁ/
    nai-nais, nais, naîtnaiss-naissons, naissez, naissentNAÎTRE
    °nai--nais, -nais, -naît°naiss--naissons, -naissez, -naissentcon-NAÎTRE
    parai-parais, parais, paraîtparaiss-paraissons, paraissez, paraissentPARAÎTRE
    pai-pais, pais, paîtpaiss-paissons, paissez, paissentPAÎTRE
    croî-croîs, croîs, croîtcroîss-croîssons, croîssez, croîssentCROÎTRE

    これらは第2群動詞の活用と同じタイプの動詞で、複数形の語幹末に -ss- が現れます。これは語源動詞の現在幹末に現れる接尾辞 -sc- に由来します。人称語尾の直前に -ss- があると、第2群動詞かこの項目の動詞ということになります(接続法半過去は除きます)。



    ラテン語 NG- 動詞

    〔発音〕 ain- /ɛ̃/ ; aign- /ɛɲ/ ein- /ɛ̃/ ; eign- /ɛɲ/
    join-joins, joins, jointjoign-joignons, joignez, joignentJOINDRE
    oin-oins, oins, ointoign-oignons, oignez, oignentOINDRE
    poin-poins, poins, pointpoign-poignons, poignez, poignentPOINDRE
    plain-plains, plains, plaintplaign-plaignons, plaignez, plaignentPLAINDRE
    crain-crains, crains, craintcraign-craignons, craignez, craignentCRAINDRE
    °train--trains, -trains, -traint°traign--traignons, -traignez, -traignentcon-TRAINDRE
    cein-ceins, ceins, ceintceign-ceignons, ceignez, ceigentCEINDRE
    gein-geins, geins, geintgeign-geignons, geignez, geignentGEINDRE
    tein-teins, teins, teintteign-teignons, teignez, teignentTEINDRE
    fein-feins, feins, feintfeign-feignons, feignez, feignentFEINDRE
    pein-peins, peins, peintpeign-peignons, peignez, peignentPEINDRE
    °strein--streins, -streins, -streint°streign--streignons, -streignez, -streignentre-STREINDRE
    °trein--treins, -treins, -treint°treign--treignons, -treignez, -treignenté-TREINDRE
    °prein--preins, -preins, -preint°preign--preignons, -preignez, -preignentem-PREINDRE
    °frein--freins, -freins, -freint°freign--feignons, -freignez, freignenten-FREINDRE

    複数語幹末に -gn- /ɲ/ が現れる。これは語源のラテン語動詞の現在幹末子音 -ng- に由来します。ちょうどこれをひっくり返した形ですね。



    ラテン語 K-, G- 動詞


    plai-plais, plais, plaîtplais-plaisons, plaisez, plaisentPLAIRE
    tai-tais, tais, taittais-taisons, taisez, taisentTAIRE
    di-dis, dis, ditdis-disons, disez, disentDIRE
    gi-gis, gis, gîtgis-gisons, gisez, gisentGÉSIR (1)
    °fi--fis, -fis, -fit°fis--fisons, -fisez, -fisentsuf-FIRE
    li-lis, lis, litlis-lisons,lisez, lisentLIRE
    fri-fris, fris, fritfris-frisons, frisez, frisentFRIRE
    cui-cuisons, cuisez, cuisentcuis-cuisons, cuisez, cuisentCUIRE
    °dui--duis, -duis, -duit°duis--duisons, -duisez, duisentcon-DUIRE
    lui-luis, luis, luitluis-luisons, luisez, luisentLUIRE
    nui-nuis, nuis, nuitnuis-nuisons, nuisez, nuisentNUIRE
    °strui--struis, -struis, -struit°struis--struisons, -struisez, -struisentcon-STRUIRE
    clo-clos, clos, clôtclos-closons, closez, closentCLORE


    これら動詞群の語源動詞はその語根末に軟口蓋音 K-, G- を持ちます。母音に後続する k, g は /z/ に変わりましたから、語根音節末子音の k, g は -s- として現れます。ただし CONSTRUIRE, CLORE の語源動詞の本来の形は cōnstruere, claudere で k, g はありません。ラテン語動詞 struere に由来する動詞はここに現れた CONSTRUIRE と °DUIRE の他に DÉTRUIRE があり、この動詞も同じように活用します。また、不規則動詞のひとつ FAIRE もこのカテゴリーにおいて捉えることが出来ます。FAIRE の語源動詞はラテン語の facere でして、語根末に /k/ が確認されます。ですから、その単数人称語幹は fai-, 複数人称語幹は fais- だと言えます。


    (1) GÉSIR は -IR 不定詞のようですが、NUIRE が古フランス語 NUISIR に遡ることと考え合わせると、この不定詞形は古フランス語での綴りがフリーズしてしまったものと考えるのが妥当に思われます。これを解凍して理論的に不定詞形を導くならば、°GIRE となるでしょうか。それはともかく、この動詞の不定詞はほとんど用いられることがないようです。それに -IR 不定詞の《2語幹》にこの動詞を置くよりも、ここに差し入れた方が語幹の特徴を捉えやすいと思われます。もちろん、語源動詞の現在幹末は /k/ 音です (iacēre)。



    ラテン語 V- 動詞


    次の4動詞は複数語幹末に -v- が現れます。ここでも例に漏れず、語源動詞の現在幹末子音は V- です。しかし、厳密に言うとそれは VIVRE (vīvere) だけであり, ÉCRIRE と BOIRE の語源動詞の現在幹末は B- です (scrībere, bibere)。この b が音韻変化を被って v となったものが複数語幹末に現れています。ただ、SUIVRE の語源動詞は sequī (Kw-) であり、どうして -v- が複数語幹に現れるのか、ちょっとわかりません (1)


    (1) この -v- の由来に関して、gotshu さんから「複数語幹 sevons / sivons と単数の siut のメタテシス suit とが混交して suiv- の形が生まれた」とお教え頂きました。→ Le Goffic (1997) p117


    1)不定詞は次項の2動詞のように *écrivre, *boivre とはならず、規則通り単数人称語幹からつくられます。

    écri-écris, écris, écritécriv-écrivons, écrivez, écriventÉCRIRE
    boi-bois, bois, boitbuv-buvons, buvez, boiventBOIRE


    2)複数語幹に -RE を添えると不定詞が得られます。

    vi-vis, vis, vitviv-vivons, vivez, viventVIVRE
    sui-suis, suis, suitsuiv-suivons, suivez, suiventSUIVRE


    ラテン語その他子音幹動詞


    以下の4動詞も複数形で語源動詞の現在幹末子音が現れます。


    1)ABSOUDRE (absolv- : LV- = absolvere), FOUTRE (fout- : Tw- = futuere)

    °sou--sous, -sous, -sout°solv--solvons, -solvez, -solventab-SOUDRE
    fou-fous, fous, foutfout-foutons, foutez, foutentFOUTRE

    2)COUDRE (cous- : Sw- = cōnsuēre), MOUDRE (moul- : L- = molēre)

    coud-couds, couds, coudcous-cousons, cousez, cousentCOUDRE
    moud-mouds, mouds, moudmoul-moulons, moulez, moulentMOUDRE

    ※この2動詞はまるで1語幹動詞のように単数語幹末に発音されない d が綴られますので、抜かさないよう注意してください。



    不定詞 -IR


    《1語幹》
    トリコロール
    不定詞は語幹に -IR を添えると得られます。


    -s -s -t 型

    vêt-vêts, vêts, vêt ; vêtons, vêtez, vêtentVÊTIR
    cour-cours, cours, court ; courons, courez, courentCOURIR
    fui-fuis, fuis, fuit ; fuyons, fuyez, fuientFUIR
    oi-ois, ois, oit ; oyons, oyez, oientOUÏR

    -e -es -e 型

    couvr-couvre, couvres, couvre ; couvrons, couvrez, couvrentCOUVRIR
    ouvr-ouvre, ouves, ouvre ; ouvrons, ouvrez, ouvrentOUVRIR
    °fr--fre, -fres, -fre ; -frons, -frez, -frentof-FRIR
    cueill-cueille, cueilles, cueille ; cueillons, cueillez, cueillentCUEILLIR
    saill-saille, sailles, saille, saillons, saillez, saillentSAILLIR
    défaill-défaille, défailles, défaille (1) ; défaillons, défaillez, défaillentDÉFAILLIR

    (1) 単数は *défaux, *défaux, *défaut とはなりません。





    《2語幹》
    トリコロール
    不定詞は複数語幹に -IR を添えると得られます。


    -s -s -t 型
    単数形で語幹末の子音(群)が脱落します。
    bou-bous, bous, boutbouill-bouillons, bouillez, bouillentBOUILLIR
    dor-dors, dors, dortdorm-dormons, dormez, dormentDORMIR
    ser-sers, sers, sertserv-servons, servez, serventSERVIR
    par-pars, pars, partpart-partons, partez, partentPARTIR
    sor-sors, sors, sortsort-sortons, sortez, sortentSORTIR
    sen-sens, sens, sentsent-sentons, sentez, sententSENTIR
    men-mens, mens, mentment-mentons, mentez, mententMENTIR
    次の動詞群では母音が変わります。
    meur-meurs, meurs, meurtmour-mourons, mourez, meurentMOURIR
    acqier-acquiers, acquiers, acquiertacquer-acquérons, acquérez, acqurentACQUÉRIR
    tien-tiens, tiens, tientten-tenons, tenez, tiennentTENIR
    vien-viens, viens, vientven-venons, venez, viennentVENIR

    (-x -x -t 型)

    fau-faux, faux, fautfaill-faillons, faillez, faillentFAILLIR

    FAILLIR は辞書(『プチ・ロワイヤル』)に「日常語では複合過去のみで用いる」と書いてある通りです。また、「現在 faillir が単純時制で使われることはほとんどないのもあってか、使われる場合には -ir 動詞として活用することの方が一般的」とのご指摘を gotshu さんから頂きました。 この活用形が FALLOIR の活用と重なっているのは、FAILLIR が FALLOIR と同じ語源動詞に由来するからでして、いずれも L. fallere に遡ります。



    不定詞 -OIR


    《1語幹》
    トリコロール
    不定詞は語幹に -R を添えると得られます。


    -s -s -t 型

    voi-vois, vois, voit ; voyons, voyez, voientVOIR
    pourvoi-pourvois, pourvois, pourvoit ; pourvoyons, pourvoyez, pourvoientPOURVOIR
    choi-chois, chois, choit ; choyons, choyez, choientCHOIR
    soi-sois, sois, soit ; soyons, soyez, soientSEOIR
    ( assied-assieds, assieds, assied ; asseyons, asseyez, asseyentASSEOIR )




    《2語幹》
    トリコロール
    不定詞は複数語幹に -OIR を添えると得られます。


    -s -s -t 型

    °çoi--çois, -çois, -çoit°cev--cevons, -cevez, -çoiventre-CEVOIR
    doi-dois, dois, doitdev-devons, devez, doiventDEVOIR
    meu-meus, meus, meutmouv-mouvons, mouvez, meuventMOUVOIR
    sai-sais, sais, saitsav-savons, savez, saventSAVOIR
    pleu-(il) pleut°pleuv-(ils) *pleuventPLEUVOIR

    -x -x -t 型

    peu-peux, peux, peutpouv-pouvons, pouvez, peuventPOUVOIR
    veu-veux, veux, veutvoul-voulons, voulez, veulentVOULOIR
    vau-vaux, vaux, vautval-valons, valez, valentVALOIR
    fau-(il) faut°fall-(ils) *faillentFALLOIR




    まとめ

    不定詞は、1語幹動詞の場合、「現在幹」にそれぞれ3つの不定詞語尾 -RE, -IR, -OIR を添えると得られますが、2語幹動詞の場合は複数人称語幹に -IR, -OIR を、単数人称語幹に -RE を添えます。第3群動詞のうち不定詞の語末が -RE であるものと言えば、ラテン語の第3活用動詞由来の動詞です。ところで、第2群動詞がラテン語の -SC- 接尾辞動詞に由来するということを冒頭で触れましたが、じつはラテン語の-SC-接尾辞動詞も第3活用動詞なのです。ですから、たとえば第2群動詞の不定詞 FINIR が直説法現在の複数人称語幹 finiss- ではなく単数人称語幹 fin- に -IR を添えて得られるのと同様に、ラテン語の第3活用動詞に由来する -RE 不定詞も単数人称語幹から得られることになります。

    ここで疑問に思っていただきたいのですが、ではフランス語の動詞の分類基準は何なのかと。まだ何も知らない初歩の段階から私たちは「フランス語の動詞は第1群、第2群、第3群の3つに分類される」と刷り込まれてきましたが、この分類は一体何に基づいているのでしょうか。語源に基づいて分類するのであれば、ラテン語の4つの活用体系に合わせたものにならなければなりませんが、どうも違うようです。そこで注目していただきたいのが第2群動詞です。第3群動詞の中にも -SC- 接尾辞動詞由来の動詞があるのに、どうして第2群動詞がこの動詞群から切り離されたのか。この疑問を解くキーワードとなるのが「生産性」という概念です。実は、第2群動詞を眺めてみると、古典ラテン語にはない動詞が沢山見受けられます。それは、「俗ラテン語」や「民衆ラテン語」と呼ばれる段階で、新たな動詞が -SC- 接尾辞によって大量に生産されたからだと言えます。要するに、フランス語の動詞の分類は語源に基づくものではなく、活用パターンに基づくものであるということになります。ですから、わたしが第3群動詞を「あまりものの寄せ集め」と呼んだのも、あながち間違いではなさそうですね。第1群動詞や第2群動詞と同じように残りの動詞も分類するのであれば、以上で見てきたような分類になるのではないかと思われます。



    【2013/12/15 02:03】 『フランス語動詞の活用の覚え方』 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)




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